まるちゃんと関東地方へ。東京にある山城として有名な八王子城へわんこと歴史散策。
訪れた日:晩秋(10月下旬)
1.戦国時代の山城へ
八王子城は戦国時代の末期、北条氏康の三男・氏照によって築かれた山城です。
戦国時代末期というと、山城から平城へ変わっていった時期でつね
うん。信長の登場もあって“見せる”お城作りに変化していったよ
1582年(天正十年)以降に築城が開始されたとされる八王子城。天正十年といえば本能寺の変が起こった年。そこから5年後にお城が完成(未完成など諸説あり)しましたが、天下人となる秀吉が関東制圧に乗り出そうと計画。その頃の城郭というと戦うための機能よりも、政治的中枢としての役割へと変化していった時期でもあります。
2.ワンちゃんOKの八王子城
八王子城は山城なので、基本的に犬連れOK。お散歩しながら史跡巡りが楽しめますが、注意点が2つほどあります。
マナーを守って楽しむ
きっとマナーの悪い人がいたんだろうなぁと想像してしまいました
御主殿跡は広いエリアですが、ノーリードはさすがにNG。また自然溢れる史跡とはいえ、糞尿は必ず処理してお持ち帰りをお願いします。
大切な史跡だということを忘れないで、散策を楽しみましょう!
小型犬には厳しい山城
八王子城は大きく分けて2つのエリアがあります。ひとつは駐車場から見て左手にある御主殿跡で、歩きやすい場所で犬連れでも楽に辿り着けます。もう一つは右手に進む本丸跡で、こちらは山頂にあるので登山を楽しむという感じです。
本丸跡は険しい道のりなので、小型犬にはちょっと厳しいかもね
山に住む野生動物たちや、マダニなんかも怖いから無理は禁物でつ
3.いよいよ八王子城へ
駐車場に車をとめたら八王子城方向へ歩いて向かいます
途中の地形模型を見てから向かうと、城郭をイメージしやすいでつ
4.要害地区を少しだけ登る
標高460mの山頂にある本丸跡。要害として築かれた山城の雰囲気だけでもご紹介しようと、少しだけ登ってみました。
深い森が広がっていることが、写真からも伝わるかなと思います
スマホでラジオを流し、防犯ブザーをたまに鳴らすという戦略
まるはパパのスリングに入り、周りの気配をチェックしていまつ
山道は草木が生い茂っていて、犬を歩かせるのはちょっと危険かなと思いました。なお、まるはパパのスリングに入っているので写真には登場しておりません。
金子丸跡にて撤退
金子丸跡に到着。本丸までさらに30分ほどかかると思われます
そろそろ、まるも歩きたくなってきたので引き返してくだちゃい
要害地区として築かれた山城の雰囲気がわかったので撤退!なお登城ルートは複数あるようで、犬連れではなく本格的に登りたい方はガイドさんにお願いするのもオススメです。
5.居館地区の御主殿跡へ
本丸跡は戦うための要害地区でしたが、御主殿跡は普段生活するために作られた場所。比較的見やすく、復元もされていてワンちゃん連れの方にもオススメ。
御主殿跡は案内板も新しくて、ワンちゃんも歩きやすそうでつ
落城後は使われず埋もれていたけど、近年になって復元されたよ
落城した八王子城
お城が完成して3年。天下統一を目指す秀吉が最後の総仕上げとして、20万もの大軍を率いて後北条氏の小田原城を包囲します。そして支城である八王子城もまた、秀吉軍の猛攻を受けることとなります。
でもこれだけの城郭を持つお城なら、かなり耐えれそうでつよね?
それが…氏照と主力部隊は不在、たった1日で落城してしまったよ
城主と主力部隊は小田原城に援軍に出ていて、守るは城代として残った武将たちと僅かな将兵。それに対して攻める秀吉側はのちに五大老となる上杉景勝に前田利家、さらには真田昌幸らの総勢1万5千もの軍勢。その兵力差は歴然で、強固な要塞だった八王子城が1日で落城したことは、小田原城が陥落するきっかけにもなりました。
古道と大手門
堀切を使って、イザという時には足止めできる設計ですね。
ここの近くに八王子城の入口となる、大手門があったそうでつ
こっちも高低差を上手く利用して、防御力を高めていた感じだね
御主殿 曳橋
古道を少し歩くと、いよいよ御主殿跡へと続く大きな橋が見えてきました。
あっ、向こうに御主殿跡がありまつ!それにしても立派な橋でつね
攻められた時に壊せるよう、当時はもっと簡素な橋だったそうだよ
御主殿 虎口
廃城となった八王子城は長らく土石に埋もれた状態でしたが、1990年の落城四百年事業に向けて発掘調査と復元が行われました。
崩れていたり埋もれていた石垣をリアルに復元ってすごいでつ!
うんうん。この虎口の石垣を見るだけで、私たちは大興奮状態!!
お城は時代が移り変わると共に改修を重ね、初期の築城時の姿とは異なることも多いです。しかし八王子城は落城後に廃城となり、長く山の中に眠っていたため、奇跡的に当時のままの石垣が発掘されました。
櫓門跡
ここに門があったようです。ガッチリとした頑丈な門だと想像…
そういう想像を膨らますのが、お城巡りの醍醐味なんでつよね☺️
御主殿曲輪
冠木門をくぐると御主殿曲輪へ到達!
すごーく広い場所。ここに御主殿があったと思うと感慨深いです
ベンチでお弁当を食べる人もいたほど、開放的で気持ちの良い場所
ひろーい場所だったのでお散歩してしまいまちた…大丈夫でつか?
うん大丈夫!御主殿跡が犬連れ禁止とならないのには理由があります。それは本物の遺構は保全のために地中60cmの場所に埋まっているから。なお置かれている礎石はイメージ石のため、建物があった場所の上からじっくりと見学することも可能となっています。
発掘調査では食器や茶道具に武具など、7万点におよぶ遺物が埋まっていました。その中には国内唯一の出土品として、ベネチア製のレースグラスが見つかっています。
ベネチアからどうやって辿りついたのかを想像するのもまた、歴史の楽しみ方のひとつだと思います☺️
御主殿 会所跡
会所跡はイメージしやすいように、床面まで復元されています
御主殿と合わせると、かなり大きな建物だったことが分かりまつ!
庭園遺構
御主殿と会所に囲まれた場所に庭園を発見。これは当時の関東平野にはなかった規模で、発掘調査後は埋め戻しとなりましたが、レプリカの石が当時の姿を偲ばしてくれています。
ママの頭が邪魔で見えないけど、奥の黒い石は本物だそうでつ!
うんうん。当時のモノなので戦国証言石って呼ばれているそうです
庭園の石は真似て作られたレプリカ(それはそれでスゴイ技術!)ですが、戦国証言石は当時の姿のまま置かれています。ということは頭だけ出している状態なので、下の部分が60cmも埋まっていると考えるとかなりの大きさだったことが分かります。
御主殿の滝
御主殿の近くには落城時に御主殿にいた人々(兵だけでなく女性や子も含む)が、滝の上で自刃をし身を投げたといわれる御主殿の滝があります。
供養のための石碑もあるので、手を合わせると良いかなと思います
戦国時代とはいえ壮絶な戦いがあった事を忘れちゃいけないでつ
三日三晩に渡り滝が血に染まったと伝わるほど、多くの人々が命を落とした八王子城。心霊スポットとして怖い話も噂されているようですが、御主殿の滝だけでなくさまざま場所で壮絶な戦いがあったことだけは事実です。それを後世の私たちが忘れずに心に刻むことこそが、本当の供養になると考えてお城巡りをしています。
6.まとめ
北条氏照が築いた八王子城をご紹介しました。要害地区は小型犬にはハードルが高めですが、居館地区は犬連れでも訪れやすい場所にあります。ぜひ皆さんも関東屈指の山城として知られる八王子城へ、ワンちゃんと一緒にお出かけしてみてはいかがでしょうか♪