薩摩半島を1日で巡る。知覧・あの空に旅立った記憶を辿る犬連れ旅|わんことお出かけ南薩摩編

知覧へ犬連れ旅サムネイル 南薩摩編

薩摩半島1日旅のラストは、ずっと訪れたかった場所へ。出撃基地の地に建つ知覧特攻平和会館、そして「特攻の母」鳥濱トメさんが営んでいた富屋食堂を巡り、隊員の記憶を辿ります。

訪れた日:初冬(12月初旬)

1.愛犬と巡る薩摩半島旅

わんこと薩摩半島を1日で巡る旅。

薩摩半島へ犬連れ旅マップ
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まるちゃん
まるちゃん

道の駅をスタートして、午前中は指宿市にある池田湖と長崎鼻を巡り…

まるママ
まるママ

そして西大山駅と釜蓋神社に立ち寄り、最後は訪れたかったあの場所へ

薩摩半島を巡る旅の途中、さまざまな場所からその姿を見せてくれる開聞岳。
本土最南端の百名山であり、「薩摩富士」とも称されるこの美しい山は、知覧から飛び立った特攻隊の人々が、最後に目にしたであろう山でもあります。

長崎鼻から見る開聞岳
長崎鼻から見る、開聞岳。

彼らはどんな想いを胸に、空へと旅立っていったのか――。
その記憶を辿るため、私たちは知覧へと向かいます。

2.わんこと知覧平和公園へ

釜蓋神社から知覧平和公園までは15kmほどの道のり。のんびり走って30分で到着。

知覧へ犬連れ旅マップ
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まるママ
まるママ

そうだね。田畑が多い平地だし、滑走路があった雰囲気が今も残ってる

知覧に特攻隊の基地が置かれたのは、軍事的な理由が大きく関係しています。沖縄へ向かう航路に近く、当時の航空機でも到達可能な距離にあったこと。さらに、台地と山に囲まれた地形は、飛行場を敵の空襲から見つかりにくくする利点がありました。また、1944年以降、日本軍は九州南部を本土防衛の最前線と位置づけ、南九州一帯に多くの飛行場や関連施設を整備していきます。知覧もその一つとして、簡易的ながら出撃拠点として機能しました。

まるちゃん
まるちゃん

今も海上自衛隊が運用している、鹿屋の航空基地も同じ理由でつね…

知覧平和公園の駐車場

知覧特攻平和会館へ車で行かれる場合は、知覧公園周辺の駐車場を利用します。

知覧公園周辺マップ
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まるママ
まるママ

トータルで500台ほど駐車可能

まるちゃん
まるちゃん

犬連れの方はお散歩を兼ねて、飛行場の戦跡を巡るのもオススメでつ

知覧・平和の水辺

特攻平和会館へと続く参道入り口には、美しい噴水のモニュメントがありました。

平和の水辺の噴水

噴水は一茂さんが完成後もまだ見られていない一方で、偶然訪れた石原良純さんが先に見ていたという、少し微笑ましいエピソードがTVで紹介されていました。

特攻像「いにしえに」

噴水から平和会館に進む右手の広場には、野外展示やモニュメントがありました。

特攻像「いにしえに」
まるちゃん
まるちゃん

力強くもあり、悲しげでもある像…

まるママ
まるママ

うん。由来に記されている「開聞の南に消えた勇士よ」が胸に刺さる…

航空自衛隊初等練習機T-3

特攻像の横に置かれた機体。

航空自衛隊初等練習機T-3

この機体は航空自衛隊の初等練習機として実際に使用されていたT-3です。T-34メンターの後継機として、富士重工業がライセンス生産の経験を生かして開発し、1975年に正式採用されました。エンジンの改良や3枚プロペラの採用により、訓練効率の向上に貢献。その後、後継機T-7の導入により2000年代に退役し、現在は航空自衛隊の教育と平和の尊さを伝えるため、ここ知覧公園に展示されています。

一式戦闘機 「隼」 復元機

噴水の近く、桜の木の麓にある隼の模型。

一式戦闘機 「隼」 復元機

本機は、当時の資料や少飛会の意見を基に制作された、陸軍一式戦闘機「隼」の精巧なレプリカです。映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』の撮影のため、実物大で忠実に復元された模型が展示されています。特攻機として使用された「隼」は約160機にのぼり、その多くが知覧基地から出撃しました。本展示は、特攻の歴史と平和の尊さを伝えるものです。

映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』の説明板

石原さんは生前、後にご紹介する鳥濱トメさんと交流があり、実際に聞いた体験談をもとに脚本を執筆されたそうです。

三角兵舎(復元)

三角兵舎(復元)

平和会館の隣にある建物は、特攻隊員たちが宿泊していた三角兵舎を復元したものです。隊員たちはこの兵舎で出撃までの数日間を過ごし、日の丸への寄せ書きや、故郷へ送る遺書や手紙を書いていたと伝えられています。

まるママ
まるママ

綺麗に復元された建物ですが、実際はもっと粗末な造りだったそうです

特攻平和観音堂と護国神社

三角兵舎の裏手には観音堂と神社があるので、手を合わせるために立ち寄りました。

特攻平和観音堂
こちらも後にご紹介するトメさんが建立に尽力されたそうです。

昭和17年に大刀洗陸軍飛行学校知覧分校が設けられ、この地は本土最南端の航空基地として、陸軍最後の特攻基地となりました。ここから約千名の若き特攻隊員が出撃しています。その御霊を慰め、崇高な精神を後世に伝え、恒久平和を願って、旧将兵や町民の浄財により特攻平和観音像が建立されました。観音像は法隆寺の秘仏・夢ちがい観音を模したもので、体内には特攻隊員の芳名が納められています。

お願い

犬連れについての注意書き等はありませんが、お社や依代の近く、境内では抱っこするなど、英霊が眠る神聖な場所だということをお忘れなく。また、公園内の野外エリアでしっかりとペットマナーを守って見学するようにお願いします。

3.知覧特攻平和会館へ

まるちゃんと公園でお散歩したあと、ずっと訪れたかった知覧特攻平和会館へ。

桜の季節の知覧特攻平和会館

知覧特攻平和会館は、第二次世界大戦末期の沖縄戦において、特攻作戦で出撃した陸軍特別攻撃隊員の遺品や資料を展示する施設です。命を顧みない戦法と戦争の悲劇を二度と繰り返さないという強い思いのもと、隊員たちの真の姿や記録を後世に伝え、恒久平和を祈念することを目的として、出撃基地であったこの地に建設されました。

知覧特攻平和会館前
まるママ
まるママ

ありがと。それでは行ってきます。

知覧特攻平和会館はワンコ連れNG(当然ですが…)。そのため、私たちは交代で入場し見学することにしました。

知覧特攻平和会館のロビーと音声ガイド案内機

私はしっかりと説明を聞きながら見たかったので、タブレット型の音声ガイド案内機(有料)を利用しました。

ご注意

ロビーと零戦展示室のみ撮影可能。その他の館内は撮影禁止となっているので、ご注意ください。

海に沈んでいた零戦

英霊の彼らよりも長く生きている私ですが、
感想を述べることもできず、
あまりにも重く、言葉が見つかりません。

まるちゃん
まるちゃん

ママ、大丈夫?

まるママ
まるママ

うん、ごめんね。たった80年前の出来事であり、当時を生きた人々のことを思うと、胸が苦しくなります。

引き上げられた零戦

とてもセンシティブな内容のため、私の感想はこれくらいにしておきます。人それぞれ受け取り方は違うと思いますが、知覧特攻平和会館は、祖国と人生について静かに考えるきっかけを与えてくれる場所だと感じました。

最後に――
ありがとう。
そして、
ごめんなさい。

あの日、空へ飛び立った特攻隊が見たであろう開聞岳。
あの日、空へ飛び立った特攻隊が見たであろう開聞岳。

4.特攻基地「戦闘指揮所跡」へ

知覧特攻平和会館をあとにして、近くにある「戦闘指揮所跡」へ立ち寄りました。

特攻基地「戦闘指揮所跡」
まるちゃん
まるちゃん

碑があるだけでつが、風化させないためにもこういう場所は必要でつね

まるママ
まるママ

うんうん。周りの風景は移りゆくけど、空は今も昔も変わらないからね

他に掩体壕や三角兵舎跡、山砲座跡(猿山)など、知覧にはさまざまな戦跡があるので、お時間がある方は当時を想像しながら巡ってみてはいかがでしょうか。

5.わんこと富屋食堂がある町並みへ

最後に多くの隊員たちの心を支えてきた、鳥濱トメさんが営んでいた富屋食堂へ。

富屋食堂がある町並みマップ
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まるママ
まるママ

知覧特攻平和会館からの距離は約2km。車で5分程走れば到着します

まるちゃん
まるちゃん

周辺には市営駐車場があり、観光の方はどちらも無料で利用できまつ

ホタル館 富屋食堂

ホタル館 富屋食堂

「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメさんが営んでいた富屋食堂。出撃前の若者の話を聞き、私財を投じて食事を用意するなど、特攻隊員たちの母代わりとして慕われる存在でした。また、隊員の遺書を預かって家族へ届けるなど、隊員たちの最期の願いに寄り添いました。

まるママ
まるママ

現在は資料館として、鳥濱トメさんの生涯や特攻隊員の遺品・写真を通して、当時の真実を伝えています

ホタル館 富屋食堂の説明板
閉館時間だったので外から見学させていただきました。
まるちゃん
まるちゃん

今もなお曾孫さんが味を受け継ぎ、公園近くで食堂を営業されていまつ

まるママ
まるママ

曾孫さんは館長も務められています。講話や講演を通し、トメさんと特攻隊の真実を語り継いでいます

富屋旅館

富屋旅館

戦後特攻隊員の最期を知ろうと、全国から多くの遺族が知覧を訪れるようになり、トメさんはそうした方々を迎えるため、食堂に隣接する建物を改装して旅館を開業されたそうです。

富屋旅館の別館
こちらは新しい別館です。

犬連れ不可のため、私たちは宿泊できませんが、お料理も美味しく、どこか懐かしい、心温まる素敵なお宿だそうです。

知覧武家屋敷通り

富屋旅館の近くの川を渡ると、薩摩の小京都と呼ばれる武家屋敷通りがあります。

知覧武家屋敷庭園案内図
まるママ
まるママ

うんうん。もう日が落ちかけている時間だけど、ちょっと行ってみよう

知覧武家屋敷通り
真っ暗だったので、お写真はお借りしたものです。
まるママ
まるママ

お屋敷にある7つの庭園が有名で、犬連れでも見学できるそうです。

富屋食堂がある町並み

多くの隊員たちも足を運んだであろう、富屋食堂のある町並み。母ヶ岳の麓に広がるこの静かな町には、美しい庭園を備えた武家屋敷通りが今も残り、江戸時代の面影とともに、特攻隊員たちの記憶が静かに受け継がれています。

6.まとめ

所要時間の目安
知覧へ犬連れ旅。感謝の言葉

薩摩半島を1日で巡る旅、知覧編をご紹介しました。旅のラストとなった知覧特攻平和会館と町並み。若くしてあの空へ旅立った英霊たち、そして彼らを見送った人々の記憶に触れ、やはり来てよかったと思える場所でした。今もなおその歴史を紡ぎ続けている地元の人々に感謝しつつ、私にはまだ答えは出せませんが、いつかまた訪れたいと思います。その時こそ、鳥濱トメさんのように、本当の意味で英霊たちに向き合える気がします。

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