雨に包まれた佐賀を、わんこと旅する1日。弥生ロマンあふれる吉野ヶ里遺跡と、本丸御殿が復元された佐賀城へ。日本100名城に選ばれた2つの名城をのんびりと巡ります。
訪れた日:師走(12月中旬)
1.わんこと吉野ヶ里歴史公園へ
神埼市と吉野ヶ里町にまたがる、弥生時代の環濠集落跡が残る吉野ヶ里歴史公園へ。


めっちゃ広そうな公園でつね

うん。USJの2倍もの広さで、東京ドームが25個も入っちゃう大きさ!


うんうん。なお、広々とした公園には駐車場もいくつかあるので、目的に合わせてチョイスしましょうー

まるは遺跡エリアの見学がメインとなるので、東口駐車場にしまちたよ
2026年春、公園内に新たな複合施設「スノーピーク グラウンズ吉野ヶ里」が開業。九州最大級のキャンプフィールドや遊具エリアが整備され、地域の魅力が詰まったストアやレストラン、カフェなど続々オープン。犬連れでの利用情報はまだ未定ですが、今後が楽しみなスポットです。
開業日 2026年3月18日
歴史公園センター
東口駐車場から歩いてすぐの場所にある、歴史公園センターから入場します。


うんうん。なお、歴史公園センター施設には、ガイダンスルームにレストラン、売店なんかもありました


ありゃ…でも予定は変えられないので、お天気が悪くても楽しむぞー!
わんこ連れルール
チケットを購入したら、入口のゲートをくぐり、天の浮橋を渡り公園へと進みます。


ねえねえ、遺跡もある凄そうな公園だけど、犬は入っても大丈夫なの?

あっ言い忘れてた。なっ、なんと…吉野ヶ里歴史公園は犬連れOKだよ
ワンコWelcomeな吉野ヶ里公園ですが、園内では必ずリードを着用し、貴重な遺跡を守るためにも、糞尿の処理を含めペットマナーをしっかり守りましょう

愛犬と一緒に歩いて散策できる公園ですが、建物内や水辺、展示施設、園内バスなどはワンコ立入禁止です。また、多くの方が楽しむ公園なので、人が多い場所ではリードを短く持つなど、犬が苦手な方への配慮も忘れずに。

ホムペの注意事項をしっかりと読んで、ルールを守って楽しみましょう

入園時に貰えるペット同伴の注意事項が書かれたチラシでも再確認を!
実はここ、いちばん古い百名城
佐賀県にある日本百名城は3か所。そのうちの1つが、ここ吉野ヶ里遺跡です。


おっ、ナイスな気づき。百名城とはいえ、ここには石垣やお城はないよ
吉野ヶ里遺跡が百名城に選ばれている理由――それは、ここが日本最古ともいえる「城の原型」を今に伝える場所だからです。弥生時代につくられた吉野ヶ里遺跡には、集落を守るための環濠や柵、見張りの役割を果たした物見櫓など、防御の仕組みが数多く確認されています。


これは痛そう…。他にも濠や土塁もあって、これが二千年以上前のものと考えると、やっぱりスゴいよね

安土桃山時代に見られるような天守や石垣はありませんが、外敵から人々を守る拠点としての役割は、のちの城郭と共通しています。吉野ヶ里遺跡は、日本の城がどのように生まれ、発展していったのかを知ることができる、まさに「城のはじまり」といえる存在です。

お城巡りというと戦国や江戸時代の城が中心になりがちですが、吉野ヶ里遺跡は弥生時代の環濠集落跡。ここを百名城に含めたことで、一辺倒になりがちだった城巡りの視野が広がり、日本の歴史が遥か昔から続いていることを実感できるのは、とても素敵なことだと感じました。
南内郭
それでは、弥生時代へタイムスリップ。


物見櫓や竪穴住居、集会の館など、20棟もの建物が復元されています

こちらは「大人(たいじん)」の家。読み方は“おとな”ではなく“たいじん”で、軍事や土木工事を取り仕切っていた人物の住居だそうです。他にも別に仕切られた区画を持つ、位の高い人が住む「王」の家も復元されています。

復元建物内は犬連れで入れないため、二人以上で訪れている場合は交代で見学しましょう。また、櫓門の近くには遺跡から出土した貴重な資料を展示する展示室もあり、こちらも交代での見学がおすすめです。
北内郭
支配者層が住む南内郭から200mほど北に進むと、新たな内郭が見えてきます。


とても大きな建物がありまつね

北内郭には、巨大な祭殿を含む9棟の建物が復元されています。通路は鍵形に折れ曲がった防御的な構造を持ち、さらに隙間のない板壁によって、厳重に守られた区画となっています。


あっ私も今気づいた。確かに先ほどの入口にも、鳥形の飾りがあったね
鳥形の飾りは、いわば悪しきものを防ぐ魔除けのシンボル。弥生時代の土器には、屋根の棟飾りや軒飾りとして鳥が描かれる例があり、遺跡からは木製の鳥形なども出土しています。これらは当時の信仰や習俗を象徴するものと考えられ、この門の上に鳥を載せる慣習が、後の神社に見られる「鳥居」の起源になったという説もあります。
主祭殿

主祭殿は、クニの重要な決定や祖先の霊を祀る儀礼が行われた中心施設と考えられています。高床式の多層建物で、中層は政治や直会の場、上層は最高祭祀者が祈りを捧げる神聖な空間として復元されています。


建物内にはリアルな人形がおり、当時の様子が再現されていて必見です
高床住居


こらこら~
正方形に近い形の高床建物で、主祭殿の近くにあることから、最高司祭者の住居と考えられています。神聖な人物が暮らす場であったため、1階部分も網代で囲われ、外部と隔てられた閉鎖的な造りになっていたようです。周囲には倉庫や斎堂などの建物も配置されています。
甕棺墓列(かめかんぼれつ)

甕棺は、北部九州に特有の埋葬方法で、大型の素焼き土器に遺体を納めて土中に埋めたものです。弥生時代中頃、約200年にわたり広く用いられました。吉野ヶ里では丘一帯に多数が埋葬され、特に墳丘墓北側には道を挟んで2,000基以上の甕棺が約600mにわたり整然と並び、当時の人々の死者への想いを伝えています。

葬られた人骨から、年齢や体格、さらには栄養状態までわかるそうです
北墳丘墓
北墳丘墓は歴代の王が葬られたと考えられる特別な墓。人工の丘を異なる土で何層にも突き固めて築かれ、14基の甕棺とともに管玉や銅剣などの副葬品が出土しました。弥生時代中頃(紀元前1世紀)に築かれ、のちには祖霊を祀る場として大切にされていたとみられます。

あれ、、、写真は?

ここはかなり見どころなので、勿体ぶってイメージ画像でお伝えします

有柄銅剣やガラス製の管玉が見つかったことで「邪馬台国を発見か!?」と世間の注目を集めた吉野ヶ里遺跡。とくに北墳丘墓の発掘成果は高く評価され、平成3年に特別史跡に指定、翌年には国営公園として整備されることが決まりました。遺構は保存のため一度覆われましたが、のちに展示施設が整えられ、現在も甕棺や遺構を間近で見学することができます。
南のムラ
北側のお墓を見学したら、南側の端っこまで戻り、一般の人々が暮らしていたとされる南のムラへと向かいました。

ここは吉野ヶ里集落で、いわゆる一般の人々が暮らしていた区域と考えられています。周りには壕などの防御施設がほとんどなく、数棟の竪穴住居と共同の高床倉庫が配置される構成は、日本各地で見られる一般的な集落の形と共通しています。
謎の発掘エリアとまとめ
北側から南に向かう途中に、発掘調査が続いている場所がありました。

謎のエリアでは有力者の墓と考えられる、石棺墓が見つかりました。墓は保存のため埋め戻されましたが、周辺の溝の調査が進められており、出土品次第では年代特定や新たな発見につながる可能性があるため注目されています。
石棺墓の中に遺骨はありませんでしたが、かえって謎が深まり、ミステリーを感じさせます。邪馬台国の論争はさらに盛り上がり、これからの発掘と研究に期待。古代のロマンを感じる吉野ケ里遺跡は、ワンコとタイムスリップした感覚でお散歩が楽しめるステキな公園でした。

雨なので人も少なく、より一層タイムスリップした感覚になりまちた

うんうん。古代人が建物の影からヒョコっと現れそうで楽しかったね

広くて迷いそうな方は、こちら⇧の公式アプリの利用がオススメでつ
2.わんこと佐賀城へ
吉野ヶ里歴史公園から、車で30分ほど走り、市内にある佐賀城へと向かいます。

お城近くの駐車場は30台ほどのスペース。道路を挟んだ向かいにも3ヶ所用意されていて、合計100台以上駐車可能。

🅿️は無料でトイレも完備。ちなみにお城は、まるも一緒に行けるの?

うん!佐賀城は公園として開放されていて、愛犬と一緒に散策OKだよ
一部建物内等を除き、ワンコと一緒に散策できる佐賀城ですが、しっかりとペットマナーを守って楽しみましょう。城内はもちろんのこと、周囲の散策路でも糞尿の処理を徹底するなど、大切な史跡をきれいに保つためのご協力をお願いします。
鍋島直正公銅像
駐車場のすぐそば、お城へ向かう人が必ず目にする場所に大きな銅像がありました。


立派な銅像があったのでご挨拶ちまちた。それで…この方は誰でつか?

こちらは佐賀七賢人の一人として知られる佐賀藩10代藩主、鍋島直正公
鍋島直正公は幕末に佐賀藩を率いた名君で、藩の財政を立て直すとともに、反射炉による大砲鋳造や最新の軍事・科学技術を積極的に導入しました。その先進的な改革は、佐賀を近代化の先駆けとし、「近代日本の原型を築いた」と高く評価されています。


なんか、すごいお方だったんでつね

うん。さらに切腹を諌め、優れた人材を未来へ託すなど、思いやりの心で政にあたった心優しい人物でした
鯱の門と隠れハート


ママの背中が邪魔で見にくいでつが、入口には立派な門がありまちた

あらら。夢中で石垣を見ていて、撮られていることに気づかなかった…
天保9年(1838)、本丸再建の際に建てられ、現在もその姿をとどめる鯱の門。江戸後期の築造で、防御性よりも意匠性が際立つ時代の特徴を示しています。門の両側には高い石垣が続き、往時には土塁も備えられていました。


ありがと。あとママが邪魔なのでプロが撮った門の写真を載せときます

ちなみに、この門には“隠れハート”が三ヶ所あるそうです。ヒントは、ひとつが石垣、もうひとつが門に付いている金具、そして最後は石垣を這うツタ。ぜひ、現地で探してみてくださいね。
24ポンドカノン砲

鍋島直正公は、1850年に反射炉を築き、日本で初めて鉄製大砲の鋳造に成功。幕府の依頼を受けて品川台場にも大砲を納めましたが、残念ながら現存するものは確認されていません。こちらの大砲は、幕末に日本へ伝わった海外製大砲をもとに再現されたもので、当時の佐賀藩の高い技術力を今に伝えています。
佐賀城本丸歴史館

佐賀城本丸歴史館は、幕末の本丸御殿を再現した歴史スポット。日本の近代化を支えた佐賀の物語を、展示を見ながら気軽に学べ、木造復元建築としては国内最大級であり、当時にタイムスリップしたような雰囲気も楽しめます。
歴史館はワンコNG。犬連れの方は二人以上で訪れて、交代で見学されることをオススメします。


あっ!そういや…歴史館も含めて、お金を払ってないけど大丈夫でつ?

うん!広い駐車場やお城も含め、キレイな歴史館も全部無料なんだって

忠実に御殿が復元されており、無料とは思えないほど充実した展示内容に驚き!お城はきれいに管理され、駐車場やトイレも完備。正直、有料でも納得できるクオリティです。(※維持管理のための募金が行われているので、ぜひご協力を)
城郭をぶらり歩く
ラストは城内をぶらりと散策。先ほど見た歴史館の裏手にある、本丸御殿跡を見学。

復元された御殿は、公式行事や応接に使われた「表」にあたる、ほんの一部です。藩主の生活空間や、側室たちが暮らした女性専用の区域も備え、さらに行政機能も集まっていました。日中は多くの藩士が出入りし、200~300人が働く、活気ある場所だったそうです。

約8000㎡の広さがあったそうでつ


軟弱な佐賀平野にありながら、天守台は今も往時に近い姿を保ち、当時の高い土木技術を今に伝えています
高い技術の水路と感想

西側土塁石垣の下を通る石製樋管と、それに続く赤石積水路の遺構。水を通すための施設で、赤石を用いた水路は表面まで丁寧に加工されており、当時の高い土木技術がうかがえます。

それにしても御殿は広かったけど、そんなに大きくはないお城でちたね

いや実際はもっと広い縄張りで、今は跡地に県庁や学校が建っているよ

私たちが訪れた日はあいにくの雨でしたが、晴れた日に城郭を一周すれば、その広大さをより実感できると思います。佐賀藩・鍋島氏の居城である佐賀城は、今も佐賀県の中心地として息づく、見応えのある城郭でした。
3.まとめ
吉野ケ里遺跡には3時間滞在し、佐賀城は1時間半ほどかけて巡りました。移動を含めると5時間ほどで回れる計算ですが、私たちは雨天でやや急ぎ足の見学に。2か所をじっくり楽しむなら、朝から夕方まで1日かけて訪れるのがおすすめです。

古代のロマンが眠る吉野ヶ里歴史公園と、佐賀藩鍋島氏の居城・佐賀城をご紹介しました。お城の原点ともいえる弥生時代から、成熟期を迎えた江戸時代まで、二つの時代を行き来することで、百名城の魅力をより深く楽しめます。ぜひ皆さまも、弥生時代と江戸時代へタイムスリップする佐賀へ、ワンコと一緒にお出かけしてみてはいかがでしょうか♪




