愛犬と九州大分県への旅。大分市の中心部に築かれた、天守台や現存する櫓などが見どころの府内城を、ワンちゃんとぶらりと巡ります。
訪れた日:初冬(12月初旬)
1.大分市にある府内城
県庁所在地の大分市は、別府湾に面した東九州の要地で47万人の人口を有する大都市


すごく大きな街なので、府内城の駐車場を探すのが大変そうですが…


じゃじゃーん。ママの心配もなんのその、駐車場は城内にあるんだよ!
江戸時代には藩庁、明治には大分県庁が置かれた府内城。近年には西の丸に大分文化会館が建てられ、2013年に閉館して解体となり、跡地が現在の広い駐車場となったそうです。

駐車場にも歴史あり!未来には天守閣の再建も考えられているそうです
城内は市役所用ですが城見学利用もOK
市内観光する場合は周辺の駐車場へ
駐車場にトイレあり
場所 城址公園臨時駐車場 地図 Map
2.府内城に登城

400年にわたり、大友氏が統治した豊後国。天下統一を成し遂げた秀吉から命を受け、福原直高が築城を始めるが秀吉が死去。城主が早川氏に変わるも、関ヶ原の戦いで西軍についたため滅亡。東軍に味方した竹中重利が城主となり、天守閣などが完成し府内城と名を改めます。

竹中氏の次は日根野氏。その後は徳川家の松平忠昭が城主となりました

松平家の政権は廃藩置県となるまで、200年間も続いたそうでつよ

本丸からスタート!


すでに駐車場は城内なので、本丸から見学が始まるのがちょっと不思議

お城好きなママ。どこから攻める?って言えなくて残念でつね😁
実は…築城時、駐車場となっている場所には内堀があったようです。西丸城壁をなくし埋め立てたため、城内は広いエリアとなっており、大分城址公園として整備されています。
お城は公園にもなっているので、ワンコも入城OK!ただし、犬が苦手な方もいらっしゃるので、しっかりとペットマナーを守って散策を楽しみましょう。
天守台

本丸には四層櫓の天守がありましたが、1743年(寛保3年)の大火によって焼失。その後も大地震、戦時中には大分空襲と続き、ほとんどの建物は損壊してしまいました。


天守閣はないでつが、この立派な石垣が残っただけでもありがたいでつ

そうだね。それじゃ、お城が建っていた場所に登り景色を見てみよう!
天守台からの景色
本丸跡から天守台へと登るために、石垣には階段と石段が設置されています。

急な階段が続きますので、登り降りの際は人もワンコもお気をつけくださいませ


キツイ階段を登った先には…


街並みが見渡せるロケーションで、ココに天守閣があったことに納得
かつての府内城は海辺に面していて、川と海に浮かぶ白壁の様子から『白雉城(白雉とは白い鳥のキジという意味)』とも呼ばれています。


今は街中にあるので面影はないけど、元々は海城だったから驚きだね
江戸時代から残る2つの櫓
多くの建物は焼失してしまいましたが、2つの櫓だけは災難を免れて残っています。

天守台の北側にある人質櫓と、大手門側の宗門櫓が江戸時代から現存している建物。いずれも幕末に再建されたものと伝わっています。


うんうん。激動の幕末に再建してくれたこと、さらに空襲にも耐え抜いてくれたこと⋯すごく感動しました
大雨で崩れた西側土塀
こちらも江戸時代から残る遺構ですが、近年の豪雨被害により崩れてしまっています

かつての西之丸にあった土塀。熊本地震で傾き、2023年の豪雨災害により崩壊。貴重な遺構が崩れたことは残念ですが、崩壊がきっかけでレンガ状の土塊が見つかるなど、重要文化財に値する構造などが確認できたそうです。

私たちが訪れた時は崩れたばかりでしたが、現在は修復作業中だそう

土塀の中を見ることはめったにできないので、貴重な体験になりまちた
2025年5月18日には修理中の見学会が行われるなど、今も順調に復旧作業が続けられています。
多聞櫓門と鏡石
お城の玄関口ともいえる大手門。正式には多門櫓門という名前だそうです。

大手門(多聞櫓門)と大手口の三之丸だった国道側は地続きの通路になっていますが、当時は水堀の上に廊下橋が架かっていたそうです。


入口の石垣にはひときわ目立つ、かがみ石と呼ばれる巨石がありました

ここは当時でいえば橋を渡って突き当り、お城に入る誰もが目にする場所。人々をもてなすための心意気ともいえますが、藩主の威光を見せつけるという意味が大きいと考えられています

3.廊下橋と慶長の石垣
本丸の北側には復元された廊下橋があり、その先に築城初期の石垣が残っています。


城内から廊下橋に行く途中には、礎石だけが残る冠木門跡がありました

たとえ門が残ってなくても、想像して楽しむのがお城巡りの醍醐味でつ
廊下橋

茶の湯や月見などが行われた、山里丸と西之丸をつなぐ渡り廊下。府内城再発見事業によって、1995年(平成7年)に復元されました。


古い絵図に描かれていた、大手門の廊下橋を元に復元しているそうです

慶長の石垣

廊下橋を出てすぐ近くにある、埋め立てられていた慶長の石垣。築城当時の石垣で、橋を復元する際の発掘調査により見つかったそうです。


うんうん。ちなみに石垣は加藤清正公お抱えの石工たちが関わったそう
府内藩初代藩主竹中重利公が、城造りの名手である加藤清正公にお願いして、先端技術をもつ石工たちが石垣の築造に携わったそうです。
このあと城北に御鎮座している松栄神社にお詣り。旅の感謝をお伝えしました。
4.御城印とパンフレット
登城する際にオススメしたいパンフレットと、かっこいいデザインの御城印をご紹介
府内城ウオーキングマップ

こちらの『府内城ウォーキングマップ』というパンフレット、城内の見どころが分かりやすくオススメ。とくに裏面が秀逸で、江戸時代の地図を見ながら、当時は海城だった府内城をイメージしながら散策が楽しめます。

大手門の下に置いてあるので、ぜひ手にとって散策を楽しんでください
大手門のスタンプ置場の近くに常設
HPからもダウンロード可(下部にあり)
公式 大分市府内城HP
御城印


府内城の御城印が、近くのセブンイレブンで売ってるから行くんだよー

食べ物を買うのかと思った⋯残念。

白雉城とも呼ばれていたことから、白いキジが描かれた御城印。大分市の画家、北村直登さんのデザインで、書は大分高等学校書道コースの学生さんによるものだそうです。
A6サイズで1枚500円
販売場所は近くのコンビニor観光案内所
場所 7-Eleven大分荷揚町店 地図 MAP
場所 大分市観光案内所 地図 MAP
公式 「御城印」の販売について
5.まとめ
私たちは50分ほど滞在。駐車場が城内にあり短時間で効率よく見ることができるので、お城巡り初心者やワンコ連れの方にもピッタリ。1時間あれば十分に見学できる広さの城郭となっています。

大分市にある府内城をご紹介しました。美しさと機能性が両立した近世城郭の府内城は、大分県の中心地であり、今も城址公園として市民の憩いの場にもなっています。ぜひ皆さんも気軽にお城散策が楽しめる府内城へ、ワンコと一緒にお出かけしてみてはいかがでしょうか♪
このあと原尻の滝と岡城へと向かいます。