赤穂浪士のふるさと、兵庫県にある赤穂市へワンちゃんとお出かけ。お城を見学し赤穂大石神社へお詣り、最後にきらきら坂を巡る旅。
訪れた日:秋涼(9月下旬)
1.赤穂城へ
本丸門
なんか立派な城郭ですけど、ワンコは入れるんでつか?
城内はスリングや抱っこであればワンコ同伴OKだよ!
ホームページには城内ペット禁止と記載がありますが、スリングや抱っこであればワンちゃん連れOKです(観光課に確認済み。ただし一部の場所を除き)。国の大切な史跡を犬連れで見学できるなんて、その寛大な優しさに感謝。ただし!下に降ろしたり散歩させるのは絶対にNG。必ずルールを守って楽しんでくださいね。
本丸庭園・二之丸庭園は犬連れNG!
あっちの二之丸庭園や本丸庭園はワンちゃん入場NGだよー
城郭内は下に降ろさなければ入れますが、本丸庭園と二之丸庭園はワンコ入場NGです。覚えておいてくださいね!
本丸厩口門
本丸門は帰りに通るので、まずは周辺を探索。あえて東の厩口門から本丸へ入るでござる
殿、まる之助も承知つかまつったでごじゃるよ
こらっ!殿じゃなくママは姫君、いや奥方様でしょ。プンプン。
本丸御殿跡
いよいよ本丸でつね
あそこが本丸御殿の跡で、間取りが分かるようになってるよ。
何があったか想像しながら歩くと、御殿が建っていた当時の様子が見えてきます。
廃藩置県後、御殿には学校が建ったので発掘調査をしても遺構は見つからず。しかし間取り図が発見されたことで、1989年(平成元年)に間取りが復元されました。本丸には政務などを行う表御殿、藩主が使う中奥、女中達の奥部屋などの御殿が建っていたそうです。
天守台跡
いよいよ最後の砦、天守台跡へ向かいます。
上から見ると御殿の広さがよく分かりまつね!
うんうん。本丸御殿がとても立派だったことが想像できるね。
うわー、すごく開放的な景色!
うんうん。周りに高い建物がなく、街も山も見渡せる。これぞ城跡から見る景色って感じだね。
ちなみに天守台跡には、天守閣が建つことはありませんでした。理由としては天守閣が必要な時代ではなくなったことと、藩の財政が厳しかったためと言われています。しかし石垣の素晴らしさは、当時も今も健在です。
櫓門
とても頑丈そうな立派な門でつね
復元された門とはいえ、これは並大抵のことではビクともしなさそう。
高麗門
この虎口はキケン。狭くなっている上に狭間からは鉄砲や矢が飛んでくる
前と後ろに横からも狙われてまつ…ヒャー怖すぎまつ
虎口(こぐち)は出入り口にあたる場所のこと。赤穂城は江戸時代以降にできた新しいお城ということもあり、ほぼ城郭としては完成形の枡形を採用。どれだけ大軍で攻めてもきても、この石垣に囲まれた狭い空間では少人数となってしまい、さらには四方八方から鉄砲と矢で狙われる…。まさに虎の文字が語るように、城郭の中でもっとも危険な場所となっています。
ていうかママ…文字が多くなってまつ。先に進むでつ!
ゴメンゴメン。お城好きが出てしまった…とりあえず百名城のスタンプを押してくるねー。
三之丸大手門
私たちは本丸から見たけど、本来は大手門から入るのが王道。
大手隅櫓
最寄りの播州赤穂駅からお城通りを通るとココにきまつ
大手門だけあって間取りも広く、まさにお城の顔って感じ。
本丸から大手門の周辺をグルっと散策すると、赤穂城の広さがよく分かります。これは五万石の藩としては大きなお城で、いかに赤穂藩がお城を大切にしていたかが伝わります。さらに戦国時代に造られた城とは違い、赤穂城は江戸時代になって造られた近世の城郭。政治的な中枢機能とイザというとき防御力のバランスがとれた、とても美しい城郭だなと私は思いました。
駐車場
私たちは大石神社に駐車。赤穂城には他にも西駐車場と東駐車場、南駐車場があります。どの駐車場も無料ですが、大石神社にも行かれるのでしたら大石神社駐車場が便利かなと思います。
2.武家屋敷公園
赤穂城の本丸門を出ると、すぐ大石神社があります
なんか広々とした芝生広場がありまつね
いい所に気づいたね!このあたりには武家屋敷があったんだよ。
武家屋敷公園には坂田式右衛門屋敷跡、周辺には片岡源五右エ門宅址や近藤源八宅跡長屋門などがあります。建物内はワンちゃんNGだけど、いろんな場所に解説板があるので、ブラブラと散策しているだけでも楽しめます。
3.赤穂大石神社
大石内蔵助をはじめとする四十七人の義士と萱野三平が御祭神の大石神社へお詣りします。
神社に到着!ホントにお城からすぐ近くでつね
うん。実はココもお城の城郭で、大石内蔵助の屋敷だったからね。
赤穂浪士像
参道には凛々しいお姿の47義士、赤穂浪士の像が建っています。
まさに圧巻!あっ…そういえば、犬が入っても大丈夫でつか?
うん。嬉しいことにワンちゃんと一緒に入って大丈夫だよ!
ワンコOKの理由と『城内犬之覚』
こちらの神社はワンちゃん連れでお詣りしてOK!さらに下に降ろして歩かせても大丈夫だそうです。なんでも犬とゆかりがある神社だそうで、浅野内匠頭が切腹となりお城が明け渡しとなる際、引渡書(城内にどんなモノがあるかを伝える書類)に『城内犬之覚』というものがあったそうな。この書にはどんな種類の犬がいるかや、生まれたばかりの子犬のことも書いてありました。これは犬公方として知られている徳川綱吉が将軍だったということもありますが、きっとお城にいる人達も犬が好きで大切にしていたんだろうなと私は思います。
ありがとうございまつ。ママの文章が長いけど、これはみなさんにぜひ知っていてほしい内容でつ
大石内蔵助像と嫡男
大石内蔵助さんの石像を見つけまちた。あれ?反対側にも同じ大石さんいまつまね
その方は大石主税良金で、名字からわかるように実の息子だよ…。
大石主税良金(ちからよしかね)は大石内蔵助の嫡男で、赤穂浪士の中で最年少。しかも若いだけでなく、体格も大柄でしっかり者。討ち入りの際には、もっとも戦いが激しかった剣豪が集まる裏門隊の将であり、その活躍から義士の信頼も厚かったようです。しかし残念ながら討ち入り後の切腹により、16歳で生涯の幕を閉じることとなりました。
義士史料館(義士宝物殿)
境内には大石内蔵助の刀や討入りに使った采配など、貴重な品々が収められた義士宝物殿があります。
さっきの『城内犬之覚』の書もココに保存されていまつ
ゆっくりと境内を散策して本殿にお詣りちまちた
うんうん。なお失礼かなと思い、本殿の写真はありません。ご了承くださいませ。
こっちは石像のない方の参道でつ
後ろの柱石にある文字は東郷平八郎の揮毫なんだよ
後ろの柱石には『忠魂義膽』と書かれています。これは忠義や正義を重んじる心のことで、東郷平八郎元帥が赤穂義士を称えて揮毫した文字となっています。
4.まとめ
ママ、急に立ち止まってどうちたんでつか?
いや、なんか感慨深くて。忠臣蔵のお話は年末になるとよくテレビで見たけど、今は…。だからこういう歴史があったことを忘れてはいけないなって思う。
うんうん。まると旅をして気づけたんだからよかったでつ
そうだね。赤穂浪士の想い、そしてそれを後世に伝えようとしている大石神社の想い、どれも大切にしていきたいねー。
ワンちゃんと一緒に赤穂城と赤穂大石神社を巡る旅をご紹介しました。赤穂市を旅する際には忠臣蔵のお話を調べてから行くと、より深く感動できると思います。またワンちゃん連れに優しいエピソードなんかも、事前に知っているとより楽しめると思います。
ぜひ赤穂浪士の魂を感じる忠臣蔵の故郷へ、わんこと一緒にお出かけしてみてはいかがでしょうか♪
次に続く…